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『File 2』スタッフトーク「ぶっちゃんの部屋 パート3」オフィシャルレポート

File 1上映時から大好評の公開後スタッフトーク「ブッちゃんの部屋」 が、File 2でも開催されました。
会場には、本作の監督を務めた出渕 裕監督、音響監督の若林和弘さん、音楽を担当した川井憲次さんの3名が登壇。
<音>にまつわる貴重なトークに花を咲かせました。

若林さんは、『パトレイバー』の人気キャラクター・斯波繁夫の名前の由来になったと言われている音響監督・斯波重治さんのもとで学び、「キャスティングからプランニング、音楽のデザインなど全体を見て、演技指導や編集まで幅広く担当しています」と、音響監督としての仕事について説明。
劇中の音楽について、「最初はシナリオやコンテを読むと、人によっては楽曲の指定があるんです。
ない場合にはプランニングをこちらで指定して、監督たちに提案したのち、最終的に音楽の川井さんにお願いします。基本的に映像に合わせて、音楽が作られていきます」。

出渕監督は、実際の楽曲制作について、「たとえば『File 1』の予告編に『くるみ割り人形』が流れているのですが、最初は吉祥寺の商店街に流れている楽曲を最後のメカアクションの箇所に合いそうだなと思って、川井さんに作っていただきました。
『くるみ割り人形』が1話のドタバタアクションと合いそうで、現実音からつながっていくと綺麗なんじゃないかと思ったんです。
しかし、実際にやってみたらうまくいかず……結局、若林さんに調整していただきました」と、音楽と映像を組み合わせる際の試行錯誤を振り返りました。

そして、『パトレイバー』シリーズに全て参加している川井さんについて、出渕監督は「何やってもパトレイバーらしい音楽になるんです」と絶大な信頼を寄せていることを明かし、長年にわたって作品を支えてきた川井さんへの厚い信頼がうかがえるトークを展開。

音楽を制作する際に気をつけていることを聞かれると、川井さんは「ないです」と即答。
「何をやっても『パトレイバー』になっちゃうらしくて、制作するときは本当に気楽なんです。よっぽど『こういう音が欲しい』というときだけで、あまり細かい指示もなくて、基本的にお任せいただけているんです」と、制作時の自由度の高さを明かしました。
続けて「劇伴はその場で楽譜を渡して、リハーサルを1回して、2回目ですぐ収録します。譜面の通りにプロが完璧に弾いてくださるんです」とプロフェッショナルな制作現場の一端が明かされると、会場からも感嘆の声が漏れました。

印象に残っている劇中音楽について問われると、川井さんは「やはり『ケルベロス-地獄の番犬』のパロディが印象に残っています」と答えると、会場からはパロディ人気の高さをうかがわせるような大きな拍手が送られました。
「ピアニストは『ケルベロス』の当時の演奏者にお願いしています。ちなみに、音楽を作った本人ですが、今回は耳コピをして楽譜を再現しました」と長年にわたる『パトレイバー』シリーズの歴史を感じさせるエピソードに会場も大きく沸きました。

『パトレイバー』らしい音楽が生まれる理由について、川井さんは「ずっとやってきたからでしょうか」とコメント。
出渕監督も「川井さんの音楽があるから『パトレイバー』らしさが出ると思うんです」と太鼓判を押します。
さらに川井さんは、「説明が難しいのですが、料理研究家だったら必ず醤油入れちゃうみたいなイメージが近いかもしれません。もちろん新しい楽曲を作ろうと思うんですが、何か足りないと思ってしまって、エッセンスを足しちゃうんですよね。だから、自分の好きなものを入れると『パトレイバー』らしくなります」と、楽曲に込める“パトレイバーらしさ”についてユーモアを交えて語りました。

レイバーの音については、たくさんの音を重ねて作り上げているそうで、「『EZY』の際に新しくしたいという要望があって、当時の音やエッセンスを足して作成しました。実は最近の車は静かすぎるので、リアルに再現しようとするとどうしても迫力が足りなくて。そのため音をふかしたり、ループさせてみたり、実際とは異なる“嘘”をついて演出を加えています」と、意外な苦労話も飛び出しました。

また、途中参加となった若林さんは、音作りについて「自分がもう一度見たくなるかどうかで判断しています」と独自の基準を明かしました。ベテランと若手が混ざるアフレコ現場での苦労について聞かれると、「主人公を演じる上坂さんと戸谷さんの二人とは、今回一緒に仕事をするのが初めてだったのですが、スムーズに進めることができました」。
演技指導について聞かれると、「演者ごとに世代が違うので、その人を見ながら、どういう言葉で説明したらいいのかディレクションを変えて通じやすさを考えています」と、キャスト一人ひとりに合わせてディレクションを変える、若林さんの細やかな演技指導についても語られました。

音響と映像が互いに影響を与えながら作品を作り上げていくことについて、出渕監督は「音楽は映像に合わせて制作していただきますが、反対にアフレコの後に画を変えることもあります。役者のアドリブに合わせて口や表情を足して、映像の方を演技に合わせます。僕は面白さを優先なので、画に合わないからアドリブしないでほしいとは言いません。役者さんにはいい演技をしてほしいと思っています。そして、最終的に良いフィルムになれば嬉しいんですよね」と、演技を生かしながらより良い作品を作り上げていくこだわりを語りました。

出渕監督は「『File 3』を今鋭意制作中ですが、公開まであっという間なんだろうなと思います。ここまでくると愛着が湧いてきて、『パトレイバー』をやっているとすごく楽しいなと思っています。これからも応援をお願いします」と、これからの制作への意気込みとファンへのメッセージを語り、イベントは大盛況のうちに幕を閉じました。

【イベント名】『機動警察パトレイバー EZY』 File 2
       公開後スタッフトーク「ブッちゃんの部屋 パート3」※上映後
【日時】8月27日(木)
【会場】新宿ピカデリー スクリーン3(東京都新宿区新宿3丁目15−15)
【登壇者】出渕 裕(監督)、若林和弘(音響監督)、川井憲次(音楽) 計3名
     MC:バンダイナムコフィルムワークス 杉本 ※敬称略